第2の村田兆治になれるか
地元ボストンのメディアによると、手術をした投手のうち、カムバックしたのは85%、とのこと。しかも主力として再起する確率はかなり低い。それを松坂は気にしていた、と関係者は語る。
肘の故障は先発完投型投手の宿命といっていい。史上最高の左腕ともいわれるドジャースのサンディ・コーファックスは2年連続最多勝、防御率1位に輝きながら「肘がもたない」と現役引退。「その後の人生を考え」て手術をしなかった。
手術が有効であることを証明したのは、やはりドジャースのトミー・ジョンだった。手術後の1975年、1シーズンをリハビリに充てて完全休養。76年に復帰し20勝を挙げた。
ジョンを手術したフランク・ジョーブ博士に委ねたのがロッテの村田兆治。「考えつく治療を試みたが、効果がなかった」すえの決断で、83年の1年を欠場した後、翌年カムバックして「まさかり投法」がよみがえった。日曜日に先発登板する「サンデー兆治」として話題となったものである。
巨人の桑田真澄もジョーブ博士の手術を受けたが、かつての力は戻らなかった。松坂は当然「第2の兆治」目指す。