「溶融燃料が容器つき抜けどんどん地下へ」 福島原発「チャイナシンドローム」説の真贋

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圧力や温度の推移をみると溶融した燃料は冷えている

   ところで、東電などが根拠にする圧力や温度を計る計器は、実は正確に動いているかどうか不明なものも少なくない。小出助教が1号機について話をしたのは、1号機建屋には人が入り、水位計を修理して判明した結果だからだ。

   2、3号機については、水位計修理はできておらず、1号機の例から同様の状態になっていると推測している形だ。ということは、小出助教の1号機に関する推測が正しければ、2、3号機でも同じ事態が起きている可能性があることになる。

   保安院によると、計器の数値は絶対値だけをみているのではなく、継続的に変動がないかなどを総合的に判断しているという。その結果、原子炉だけでなく使用済み核燃料プールも含め、「傾向として安定している」との見解を示している。

   東京都市大の原子力研究所の丹沢富雄教授に話をきいた。丹沢教授は、研究用原子炉施設の保守・管理が専門だ。丹沢教授は、汚染水処理問題は別にして、原子炉の安全という点からは「事態は一歩前進している」とみている。

   公表される圧力や温度の推移をみると、「(溶融した燃料は)冷えている」として、小出助教の「どんどん地下へ」との見方は否定した。

   一方で、政府や東電の発表する数値に関する不信感は根強い。不都合なものを隠しているのではないか、というわけだ。専門家の意見についても、「政府寄り」「反原発派」などのレッテル貼りが広がり、その説得力は暴落気味だ。

   ちなみに米原子力規制委員会のボルチャード本部長は6月15日(現地時間)の会議で、福島原発事故について「原子炉と使用済み核燃料プールは相対的に静かになってきた」との見方を示した。

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