背景に関電への「怒り」
ところで、今回の橋下知事の発言は、どうも関西電力への「怒り」が背景にあるようだ。関電は6月13日、この夏の15%節電を大阪府や地元企業などに要請した。定期検査中の原発4基の再稼働のめどが立たず、さらに舞鶴火力発電所(90万キロワット分)が5月末の大雨で停止したままで、「再開時期はわからない」(関電)状況だ。
八木誠・関電社長は、「(節電が)確実に実施されないと大規模停電も起こり得る」と、危機感をあらわにした。
これに対して、橋下知事は関電に「15%の根拠」を示すよう強く求めている。そもそも橋下知事は関西エリアでも節電の必要性はあると認め、「5~10%」の節電方針を打ち出し、府民にお願いしていた。関電にもどう対応するのかを問い合わせし、八木社長への面会を求めてもいた。
それを関電は放置。橋下知事は「かなり怒っていた」ようで、周囲に「こちらからの問いには一切答えず、また根拠も示さずに突然15%節電しろとは、そう(電力を「人質」に恫喝している)としか思えない」と漏らしたという。
「関電はとにかく何が何でも原子力発電をやりたくてしかたないという態度ですから、一切僕には協力したくないようです」とも明かしていた。