タレントの伊集院光さんがラジオ番組の中で、AKB48選抜総選挙を巡る報道のあり方に疑問を呈し、ネットで話題になっている。
2011年6月14日未明放送された、伊集院さんがパーソナリティを務めるラジオ番組「伊集院光の深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)の中で、AKBについての話題が出た。
「コメンテーターが全員『AKBは面白い』でいいの?」
番組に「AKB総選挙をどう思いますか」といったメールが多く寄せられたといい、伊集院さんは、「AKBにはそんなに興味はないです」と前置きした上で、
「俺の中で行き着いたのは、アコギだなってことは押さえておいた方がいいと思う」
AKB選抜総選挙は、モバイル会員になったり、CDを買ったりすることで投票ができる。そのため、お気に入りのメンバーを上位に入れるため、一人で何千枚もCDを買うファンもいる。
こうした状況について伊集院さんは、総選挙に出場するAKBメンバーや、CDを買って投票するファンは自由だし、アコギだとわかっていてもお金を出してしまうことはもう仕方がない。だが、AKB総選挙の報道のされ方に問題があると指摘する。
「ニュースで取り上げたときにコメンテーターが全員右へならえで空気読んで『面白い』でいいの? 楽しむことは自由だけど、秋元康のやり方はアコギということに関して何も言わなかった奴がテレビのコメンテーターとして世の中を斬るのはどうなの?」
ネットで話題「すごい正論」
伊集院さんはアコギなものが世の中に流通したり流行ったりするのは理解できるが、報道番組のコメンテーターがみな「面白い仕掛けですよね」「あれは頭の良い方法」といったコメントしかしないのが怖いのだという。
さらに、このままだとAKBのファンも危険だとし、
「カウンター(批判)を受けながらも『それは分かってるけど俺たち好きなんだよ』といった上手い流し方をしないで、『正しい!』ってなってると、急に梯子を引かれたときに全部悪だったということにされるから、それは気をつけた方がいい」
と心配している。
AKB総選挙を巡る報道については、情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)で司会の小倉智昭さんが「金権選挙」などと批判していたが、好意的なコメンテーターも多かった。
伊集院さんの話はネット上でも話題となり、2ちゃんねるやツイッターには「すごい正論」「メディアのAKBマンセーは異常」といった意見が寄せられた。
ちなみに、伊集院さんはAKB48自体が嫌いという訳ではなく、まだ人気の出る前の2006年ごろに秋葉原にあるAKB劇場に行ったことがあるほか、メンバーが伊集院さんのラジオ番組に出たこともあるのだそうだ。