菅首相も並々ならぬ意欲 電力「全量買い取り制度」の損得

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電力会社はトクも損もしない?

   現行の「余剰電力買い取り制度」で、電力会社が電力を買い取る資金は「太陽光発電促進付加金」として電気料金に上乗せされている。たとえば、東京電力管内に住んでいる人は1キロワット毎時あたり0.03円を、電力使用量に応じて徴収されていて、電力会社はこの資金で電力を買っている。

   つまり家庭でつくった電力を家庭で買い取っているともいえ、「電力会社は損することも、儲かることもありません」(野村総合研究所・上席コンサルタントの福地学氏)という。

   「全量買い取り制度」を導入しても、電力を買う原資は「太陽光発電促進付加金」で賄うことになっており、電力会社の電力買取量が増えれば、「付加金」を引き上げるしかない。

   ただ、「付加金の上限を最大100~150円に抑えることや、太陽光発電パネルの設置コストや買い取り価格の引き下げなどでできるだけ抑えるよう努めたい」と、経産省は説明する。

   では、「全量買い取り制度」でなにが変わるのか――。野村総研の福地氏は、「全量制のメリットは、収支計算が立てやすくなって太陽光発電などの事業に新規参入しやすくなるということです」と話す。

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