年齢差60歳の婚約で話題を集めた、米プレイボーイ誌の創刊者、ヒュー・ヘフナー氏(85)と、プレイメイトのクリスタル・ハリスさん(25)の結婚式が、直前で中止となった。ハリスさんから突然、婚約を解消したためだ。
おりしも、最新号のプレイボーイの表紙を飾るのはハリスさん。ヘフナー氏はそこで、ささやかな「復讐」を試みたようだ。
デビュー曲発売日に破局を発表
「結婚式は中止だ。クリスタルが心変わりした」
ヘフナー氏がツイッターでこうつぶやいたのは、現地時間2011年6月14日。18日に予定されていた式を目前にして、婚約者のハリスさんと破局したという。理由は明らかにされておらず、米国で「2人の口論が原因」と報じられたことに対しても「そんな事実はない」と否定した。ハリスさんも同日、自身のウェブサイトで「熟慮を重ねた結果、ヘフ(ヘフナー氏の愛称)との婚約を解消しました。彼への尊敬の念は変わりませんし、幸運を祈っています」とつづった。
米ABCニュースをはじめ、多くの欧米メディアはこのニュースを取り上げている。CNNのトーク番組では、ハリスさんのプレイメイト仲間のクレア・シンクレアさんを招いて「破談の真相」に迫った。
「この結末は驚かなかったわ。クリスタルはヘフを利用しただけよ。直前に結婚式を取りやめるなんて、ワガママすぎるじゃない」とシンクレアさん。実は、婚約破棄が発表された14日は、ハリスさんのデビュー曲の発売日と重なっている。シンクレアさんは「偶然とは思えない」と発言し、ハリスさんが話題づくりのためにわざわざ14日を選んで破局を明らかにしたのではないかと、その「計算高さ」をにおわせた。
米大手芸能メディアは、式のキャンセルで費用がどれだけかかるかを試算。準備の際には、プレイボーイ社の社員や施設を活用してコストを抑えられただろうが、料理や花をはじめ、「花火を打ち上げたに違いない」と「ハデ婚」を前提としてウェディング業者に聞いたという。式まで2週間を切ると全額負担が基本になるため、わずか4日前の中止決定なら75万~100万ドル(6000万~8000万円)は無駄にしたのではないか、と算出した。
「彼はいつも何人もの女の子に囲まれている」
ヘフナー氏は1953年にプレイボーイを創刊し、今も編集長として君臨する一方、私生活では過去に2回の離婚歴がある。同氏と08年に知り合ったハリスさんはその後、プレイボーイに取り上げられるようになり、09年にはテレビ番組にレギュラー出演、10年には歌手デビュー契約を結ぶなど、とんとん拍子に「出世」していった。10年12月、ヘフナー氏がハリスさんにプロポーズし、婚約が成立した。
ハリスさんは6月15日、米人気司会者ライアン・シークレスト氏のラジオ番組に電話出演し、心境を語った。婚約破棄の理由について、初めは「(結婚が)正しいかどうか判断できなくなったの。じっくりと考え直した後にヘフと話し合って、お互いに結婚が最良の方法ではないという点で一致したわ」と説明。ヘフナー氏は傷ついていないかと問われると、「それは大丈夫。彼は普通と違うライフスタイルだから。でも、実はそれが…」と言いかけて口ごもる。そして、「私のライフスタイルに合わなかったの。彼はいつも何人もの女の子に囲まれているから」と続けた。結婚後も、自分の夫が複数の若い女性を周りに侍らし続けることを想像し、ハリスさんは我慢できなくなったとも考えられる。
一方のヘフナー氏も、ツイッターで「破談」について発言を続けている。6月15日には、「最近起きたある出来事のせいで、(プレイボーイ)7月号に特製ラベルを張る必要が出てきた。売り場で探してみてください」とリンクを添えて投稿した。リンクをクリックすると、セクシーな姿で7月号の表紙を飾ったハリスさんの体を隠すように、赤地に黄色文字のラベルのデザイン。そこには大きく「今月号の逃げた花嫁」と書かれていた。「ミスター・プレイボーイ」らしい、皮肉のきいたささやかな「復讐」だったのかもしれない。