東京電力福島第1原発事故による避難区域を中心に、現金自動預払機(ATM)を狙った窃盗被害が32件もあったことがわかった。被害額は億単位に上るとみられる。福島県警の調べとして、6月14日の福島民報が報じた。津波に襲われた浜通り地方では、空き巣被害が大幅に増えていることも分かった。
福島県警が6月13日に発表した3~5月の3か月間の統計によると、ATMの被害は原発の膝元の双葉署管内に集中していて計23件。いわき中央、南相馬両署管内が各3件、いわき東署管内で2件、相馬署管内で1件だった。
県警によると、大半は無人となったコンビニエンスストアに設置されたATMが狙われたケースで、現金が盗まれていた。店舗が無人となった上、震災で停電となった地区が多く、防犯システムも作動しなかったとみられる。