文部科学省は2011年6月13日、福島第1原子力発電所から西南西に2~3キロ離れた福島県双葉郡大熊町の土壌から、放射性物質であるキュリウムやアメリシウムを検出したと発表した。
これらの物質が原発の敷地外で検出されたのは初めて。事故以降よく耳にするヨウ素やセシウムに比べると聞きなれない名前だが、一体どんなものなのか。
原子炉の運転で生成
キュリウムやアメリシウムは、毒性の強いとされるプルトニウムと同様に「超ウラン元素」と呼ばれる放射性物質で、自然界には存在しない。
これらは原子炉の運転で生成され、プルトニウムと同様にアルファ線という放射線を出す。そのため、吸い込んで体内にたまった場合は健康へ悪影響を及ぼすとされている。
文科省は今回、福島第1原発から10キロ圏内の大熊町と双葉郡の4か所で土壌サンプルを測定。大熊町夫沢の原発から約3キロ離れた地点で土壌(4月29日採取)から1キロあたり0.0093ベクレル、約2キロ離れた地点(5月1日採取)から0.032ベクレルのキュリウム242を検出した。
うち1か所では、0.028ベクレルのアメリシウム241を検出したが、「過去の外国の大気圏内核実験に由来していると思われる表土におけるレベル(0.040~0.25)と同程度」としている。
キュリウム242は半減期が162.8日と短いことから、福島第第1原発から放出されたものと推定している。