電気料金「月1000円」上がるのか 相次ぐ試算の根拠と現実味

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   「東電 来年度16%(月1000円程度)値上げ」「全国で原発全停止なら18%アップ」――電気料金をめぐるこんな試算が相次いで報じられている。いったいいくら上がるのか。

   「『東電 来年度16%値上げ』 賠償10兆円で試算」。毎日新聞は2011年6月14日付朝刊1面(東京最終版)でこう見出しをつけて報じた。一方で海江田万里・経産相は14日の会見で、毎日報道について「そうした数字は見たことはない」と述べた。

「賠償額の安易な転嫁はしないように」というが・・・

   6月14日午前には、原子力損害賠償支援機構法案が閣議決定された。閣議後、海江田経産相は「安易に電気料金に転嫁されないようしっかりと見守っていかないといけない」と述べた。また、枝野幸男・官房長官も「当面は東京電力の努力の中で電力料金に転嫁することなく賠償を進めていただきたい」と値上げに釘をさした。

   もっとも、2大臣が触れたのは、「賠償額の転嫁による電気料金値上げ」についてだ。毎日記事によると、「16%値上げ」は、原発から火力発電へ切り替えることによる燃料費の増加分を「吸収する」ためだ。賠償自体とはとりあえず「別枠」ということになる。

   電気料金は、国の認可が必要で、「適正」な原価と利潤とで決まる総括原価方式が採用されている。「燃料費増」の試算が計算上問題なければ、「16%値上げ」はほぼ自動的に認可されてしまうのだろうか。

   資源エネルギー庁によると、そう単純に話が進むわけではなさそうだ。「適正な原価」には、能率的な経営が要求されており、合理化が十分なのか、なども検討されることになる。「燃料費上昇分を丸々料金に転嫁」とは必ずしもいかないようだ。

   とはいえ、東電が賠償額分を全く料金に転嫁しない、という保証もない。枝野長官らの発言も「努力目標」程度に聞こえなくもない。「16%」以上の値上げの可能性も否定はできないようだ。新支援機構へ拠出する東電の負担金も、料金へ転嫁すれば2%程度の値上げにつながるとの見方もある。

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