地元民と出稼ぎ労働者の格差が原因
中国の民主化運動を推進するグループは、ネットを通じて中国各地のデモの様子を伝えている。現地の映像や写真を、ブログやフェイスブック、ツイッターを駆使して流しているが、「中国ジャスミン革命の先導者」と名乗る集団もそのひとつだ。北アフリカのチュニジアで起きた反政府運動が長期政権の打倒に成功したのが「ジャスミン革命」で、以後中東各地に広がって民主化の機運を高めている。これを中国でも起こそうと、民主化を目指す動きとして2011年2月にはネットで大規模なデモの呼びかけが起きた。
「中国ジャスミン革命の先導者」はブログで連日、広州暴動の様子を更新。6月12日は、映像が不鮮明ではあるが、デモ参加者が建物に入り、大きな音を立てながら破壊を繰り返す映像を紹介している。13日のブログ記事によれば、デモの起きた周辺は地元民と出稼ぎ労働者の間の貧富の格差が特に大きな地域で、日頃から労働者側の不満が蓄積していたと分析。今回の露天商の女性「殴打事件」により一気に火がついて暴動が広まり、当局側でも簡単に抑え込むのは難しいと見ているようだ。
中国では、内モンゴル自治区で2011年5月、モンゴル族による地元政府への抗議デモが発生。6月に入っても湖北省利川市で、住民側の立場に理解の深かった市の幹部が汚職で逮捕されたうえ、後に急死したため、市民がデモ隊を結成して警官隊と衝突するといった騒ぎが起きた。