「自然エネルギー推進庁」は続投意欲の現れ?
ところが、菅首相はほどなく、「一定のメド」に原発事故対応を持ち出してきた。「冷温停止」という、実現はかなり先になりそうな状態を例示しもした。「冷温停止」をめぐっては後に発言を後退させたものの、今度は別の「条件」も飛び出した。
6月10日の参院予算委員会。菅首相は、「震災に対し、原発事故に対し、国会が一体となって協力できる体制がそれにつなげていけるのか」「そういうことも考えて私はそういう(退陣)発言をした」と説明した。
そして、「つまりは、一定のめどがつくまで、責任を果たさせて頂きたい」と続けた。いつの間にか、「大連立の行方を見届けた上で」というニュアンスの条件が「めど」に加わっているのだ。
自民の大連立推進派、大島副総裁らは、「大連立の話は、菅首相退陣後の新代表とする。菅氏とは行わない」としている。これでは菅首相が退陣する「めど」はさっぱり立たないことになる。
菅首相は6月12日、著名人を集めた懇談会で「自然エネルギー推進庁」構想をぶち上げた。これを受け、「政権運営に意欲」と報じたマスコミもある。
かつて鳩山首相(当時)が、小沢氏との会談で退陣が決まりながら報道陣には親指を立てて見せ、「続投への意欲」を演じたことがあった。菅首相が見せる「意欲」は、ポーズなのか、それとも本気なのだろうか。