バーチャルアイドル「初音ミク」が海外で初めてのコンサートを開くことになり、2011年6月13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者発表が行われた。国外でも初音ミクの認知度は急速に上がっており、3500席用意した席は2週間で完売、追加販売を計画している。
コンサートは、2011年7月に米ロサンゼルスで開催されるアニメイベント「Anime Expo(アニメエキスポ)2011」の中で、「MIKUNOPOLIS(ミクノポリス)2011」と題して7月2日に行われるもの。
「日本語で初音ミクの曲が歌え、半分は歌詞の意味知っている」
コンサートは、2010年に東京で行われたものをベースに、初音ミク3D映像の生演奏をバックに、オリジナル曲を熱唱。あわせて、「踊ってみた」と呼ばれるダンスコンテストも予定されている。
初音ミクは英語版のソフト開発も進んでおり、米トヨタの新型カローラのイメージキャラクターに起用されるなど、国外でも急速な広がりを見せている。
実行委員会を構成するアスキー・メディアワークスの福岡俊弘さんは、海外のアニメイベントを数多く視察。記者会見では、
「この1~2年、(初音ミクなどの)ボーカロイドのコスプレイヤーが多く見受けられるようになった。彼らに話しかけてみると、驚いたことに、ほとんどの人が、日本語で初音ミクの曲が歌える。しかも、その半分は、歌詞の意味まで知っている」
と、国外での人気ぶりを紹介した。
300人収容の会場に600人が殺到
例えば、10年10月にニューヨークで行われたイベントでコンサートの様子を上映したところ、300人収容の会場に600人が殺到。急きょ、上映回数を2回に増やしたほどの人気ぶりだったという
今回のコンサートでは、1階席の3500席を売り出したところ2週間で完売。2階席の900席を追加で販売する方向で検討中だ。
開発会社のクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長によると、初音ミクは北米よりも、台湾をはじめとする東アジアで人気が高いといい、
「米国以外からも、初音ミクに対して『来て下さい』というオファーが世界中から来ている。現状では明確な予定はないが、世界中のファンを大切にして、ムーブメントをつくっていきたい」
と、今後のアジア公演にも意欲を見せていた。