「世界の遼」になるために米国常駐をどうか
そんな石川だが、全米オープンではがらりと変わったプレーを見せるような気がしないでもない。そう期待を抱かせるだけの意外性と爆発力を持ち合わせているからだ。
「強い気持ちは重要だ。それには練習量と練習の質だ」
19歳の若さでこう言い切る自信。もう日本で戦うレベルを超えた選手だと思う。アメリカに滞在し、本格的にPGAツアーでプレーしたらどうだろうか。
「マスターズで優勝することが子供のころからの夢」
それを現実のものにするには、そのときだけ渡米しても勝てる確率は限りなく低い。ゲスト感覚で行くのではなく、どっぷりと本場のゴルフ界につかってもいいのではないか。プロ野球選手が大リーグに行くように。
石川はそれを可能にするだけの条件が整っているはずだ。もっとも大事な経済面はほとんど不安がないだろう。テレビCMだけでも大手企業がずらり。だれもがうらやむほどである。
「かつての実力者、青木功やジャンボ尾崎将司、中嶋常幸らはそういう期待をされていたが、アメリカ常駐はなかった。石川が日本からいなくなることはさびしいが、ぜひ『世界の遼』になってほしいと思う」
そう話しているゴルフ界の幹部は多い。大きく育ってほしい、という思いにこたえられるか。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)