前衆議院議員の杉村太蔵氏が2010年から出演しているTBS系「サンデージャポン」の企画で「2か月ぶり」という被災地を訪れた(2011年6月12日放送)。がれきの積みあがった街を歩きながら厳しい表情を浮かべていた元政治家も、昨今の活動となると「?」で、政界復帰の可能性も消えかかっている。
肩書きは「薄口政治評論家」
VTRでは、スーツを着た杉村が仙台市内のスナックで働く女性と再会し、彼女の地元・陸前高田市を一緒に訪問。行方不明のままの兄に花を供える彼女に「もう一度この街に住みたいと思われます?」と神妙な面持ちで尋ね、最後には涙を浮かべた目元だけがクローズアップで映し出された。
同番組での杉村の肩書きは「薄口政治評論家」だが、もっぱら過去の経験談で笑いを誘い、「イジられ役」としても定着しつつある。2010年6月の参院選落選以降増えているテレビ出演も、政治とは無関係のものが多く、最近ではソフトバンクのCM「白戸家」やJリーグの副音声解説など、よく言えばマルチタレント的にジャンルを広げているのだ。
テリー伊藤「役者になったらどうか」
坊主頭でそれまでの「失言」を謝罪、再度の支援を仰いだ参院選出馬・決意表明(2010年6月)も今や昔の感がある。落選直後の2010年7月に開設した公式サイトでは政治関連の話題を発信しているようだが、有料会員限定公開のため、一般には具体的な活動内容が見えにくく、タレント的活動ばかりが目に付く状況だ。決意表明時の動画(ユーチューブ)に寄せられたコメント欄には、批判に加え、「彼については、今後の行動を見て考えよう。一度失った信用を取り戻すのは大変だぞ。一歩一歩、少しずつ、俺の印象を変えてみろ」といった期待するコメントも見られた。
政界復帰かタレントか――。どっちつかずのイメージだけに、"支持者"は今の杉村氏の姿をどういう思いで見ているのだろうか。
「サンデージャポン」で共演しているテリー伊藤氏は「ZAKZAK」に連載している「テリー伊藤のコラム狸の皮算用」(5月30日更新)で、「本気でテレビの世界で活躍したいんだったら、もっと苦しい道を選んでほしいね。いっそのこと、役者になったらどうか」と提案。さらに、森田健作千葉県知事の逆パターンとして、政治家から役者になり、「どうしても政治家に返り咲きたいというんだったら、40歳すぎてからでも遅くはない」と、奮起を促している。