韓国タレントと違い、海外で永続的に売れることはない
「会いに行けるアイドル」という、現状の距離感を維持することが大事だとの見方もある。J-CASTニュースモノウォッチでもコラム「音盤見聞録」を担当している加藤普(かとう・あきら)さんは、この距離感を「隣のお姉ちゃん」と表現。
「歌やダンスが下手なのは問題ない。それよりも、ファンとの距離ができることが問題だ」
と見る。ソロでのCM出演やCDデビューを果たすなど、活躍の幅を広げたものの、4位から8位に大きく順位を落とした板野友美さん(19)を例に、
「ファンからすると、『手が届かなくなった』という感じが大きいのでは。近寄り難い雰囲気が敬遠された面もあるでしょう」
と分析している。「スター化」は、逆に嫌われるということのようだ。
では、「海外に打って出る」プランについてはどうか。実際、今回に総選挙は、韓国、台湾、香港の映画館でも中継されているし、11年5月からは、シンガポールでの定期公演も始まっている。だが、加藤さんは、
「『となりのお姉ちゃん』というのは、非常に日本的な考え方。東南アジアや、東アジアの人が求めているのは、やはり『スター』なので、そのままの形で売れることはないのではないか」
と否定的だ。韓国の少女時代やKARAとの違いも大きい。
「少女時代やKARAは、韓国にとって輸出品目のひとつで、いわば国策のようなもの。売れることが大前提。だが、AKBはそんなことはなくて、うまくいかなければ引き上げればいい。気合が入っていない分、そのままのやり方では、海外で永続的に売れることはないでしょう」
と、日本市場に特化するのが安全だとみている。