規制値上回れば出荷自粛・自主回収
県茶業研究センターによると、「飲用茶ではセシウム量は85分の1に薄まるため、健康への影響は心配ない」。しかし、静岡県は日本を代表する茶の生産地で規制地を超える結果が出たことで、動揺する人も多い。
県は今後、「藁科地区にある約100か所の工場で検査を実施し、規制値を上回る茶工場が出た場合には出荷自粛・自主回収を要請する」としている。二番茶の荒茶についても、一番茶の製茶を検査した19地区で検査を進める。川勝平太知事は、東電や政府に生じた損害の賠償を求める方針も明かしている。
「規制値に科学根拠的な根拠がない」として、当初は政府が求める検査に難色を示していた静岡県だが、早急に検査を進めることで被害を食い止めたい考えだ。静岡市長の田辺信宏氏も、「県や市内JA、茶商組合などと連携をとって、風評被害の沈静化と消費拡大に向けて対応してまいります」とコメントしている。
茶の放射性セシウム量の規制については、生茶葉で1キロあたり500ベクレル、飲用茶で200ベクレルの暫定規制値を設けられていたが、政府は6月2日、荒茶や製茶についても500ベクレルの規制値を適用すると発表。すでに茨城県全域、神奈川、千葉、栃木3県の一部地域で、規制値を上回ったとして出荷制限を指示している。