ローソンとYahoo! JAPANが2011年6月9日、スマートフォン事業での提携を発表した。ショッピングモールを新設し、専用アプリを共同開発してサービスを行うなど、売り上げ増に向けて大きく動いた。大手企業が続々参入するスマートフォンビジネス、果たしてどこまで拡大するのか。
「ネット通販は今後、スマートフォンがPCを超えて、主流になる可能性は十分ある。PCはデスクの前に座って使わなくてはならないが、スマートフォンなら移動中でも利用できる。スマートフォンの方が、利用者も接触時間も多くなるだろう」
地域情報に着目している
記者会見でYahoo! JAPANの井上雅博社長は、こう話した。今回の提携で、ヤフーのネットサービスと、ローソンのリアル店舗とが連携。具体的には、ヤフーショッピングで扱う商品がローソン店頭でも買えるようになる。また、現在地だけでなく行きたい場所を検索すると、周辺情報を表示する位置情報サービス「Yahoo!ロコ」により、ローソンの店舗やセール情報などを表示する機能をもたせる。
そして、ローソンが運営するECモール「Loppi(ロッピー)」で、8月からヤフーショッピングに出店している商品も購入できるようになり、12月までにスマートフォン向けアプリを公開。また、ヤフーIDをベースとする履歴(閲覧、検索、商品購入など)と、ローソンのポイントサービス「Ponta」会員の購買履歴を活用し、会員の了承を得たうえでキャンペーン案内などの情報を提供していく。
ヤフーの井上社長は「今回の提携で主に使いたいのは、スマートフォン、スマートパッドの位置情報。とりわけ地域情報に着目している」。これまでは全国規模の情報がインターネットの主流だったが、今後はより身近な生活圏の情報が活用されていくだろう、と説明。インターネット上にこうした情報を載せれば、より生活が便利になるのでは、と期待を込めた。
ローソンの新浪剛史社長も「(提携で)いろいろなデータが得られることを期待している。どんな商品を作ればいいか、ポスデータだけでなく、お客さまの声を取り入れたり、データを分析したりしながら新商品を開発したい」と語り、今後は、ヤフーと手を組むことでEコマースにも力を入れていきたい考えだ。