「大連立」怪しい雲行き 民主も自民も「損得勘定」ばかり

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ポスト菅は誰なのか

   また、岡田克也・民主党幹事長は、6月5日のNHKなどのテレビ出演で、大連立に絡んで税・社会保障の一体改革の推進も連立テーマに掲げた。一方自民では、大連立するとしても震災復旧対応に協力範囲を限定すべきだという声の方が圧倒的だ。

   とは言え、例えば半年と連立期間が短期に限定されたとしても、その間復興以外の政策は何も実施しない、というわけにもいかず、「結局、復興以外の話も民主と共同責任を負わされることになる」と警戒感を募らせる自民関係者は少なくない。復興以外も民主と共同歩調をとると、いざ衆院選の際に民主との対立軸を示しにくくなるという危機感も働いている。

   6月7日にあった自民党役員会では、「2対1」で大連立に慎重な意見が多かったという。大連立推進派はベテラン勢が多いとされ、「長い野党暮らしがこれ以上続いては干上がってしまう」とのあせりがあるようだ。しかし、中堅・若手はそうした「旧来型発想」に反発しているという構図も垣間見える。「もの欲しそうに振る舞うべきではない」というわけだ。

   民主党内でも、平田健二・参院幹事長が6月7日の会見で、大連立の動きについて、「党内でまともな議論になっていない」と冷ややかな見方を示すなどしている。

   いずれにせよ、自民側は大連立協議は「ポスト菅」体制と行う腹づもりだ。菅首相は相手にせず、というわけだ。民主の新代表は誰になるのか。朝日新聞は6月9日付朝刊で、「後継 野田財務相が軸」と1面トップ(東京最終版)で報じた。また、9日夜にも小沢鋭仁・前環境相が代表選への立候補を表明するとみられている。

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