自立式電波塔としては世界一の高さ634メートルを誇る東京スカイツリーが、2012年5月22日に開業することが発表された。注目されていた入場料は、高さ350メートルの第1展望台が大人1人2000円で、高さ450メートルの第2展望台に行くには、さらに1000円が必要だ。
さらに、開業後1か月半は完全予約制となり、この日時指定のために500円加算される。合計すると、1人3500円。一見強気な価格設定に見えるが、妥当なのだろうか。
東京都庁の展望室(202メートル)は無料
この価格設定をめぐっては、早速「高い」との声が続出している。例えば、ヤフーの意識調査では、「スカイツリーの入場料、高い?安い?」と題してアンケートを行っており、すでに7万票近く回答が集まっている。そのうち、「妥当だと思う」は、わずか12%で「安いと思う」に至っては2%だ。それに対して、「高いと思う」が87%と圧倒的だ。コメント欄には、
「高いですね!?家族4人で行くと・・・!!外国の金持ち専用?もう少し庶民的にお願いします。だって中に入ってもお金使う事になるでしょ」
「一生のうちに1度行けば、2度は行きたいとは思わない場所・・・だから、こういう料金設定になったのでは???」
と、驚きを持って受け止める声も多い。
スカイツリーの運営会社では、料金は他の展望台の料金を参考にして決めたとしているが、実際のところはどうなのだろうか。首都圏のメジャーな展望台の入場料金を見ると、東京タワーの特別展望台(250メートル)が1420円、六本木ヒルズ森タワー屋上の「スカイデッキ」(238メートル)が1800円、横浜ランドマークタワー(273メートル)が1000円。スカイツリーと比べると割安な印象だが、高さもかなり低い。
では、高さ1メートルあたりの値段で比べるとどうか。スカイツリーの第2展望台の場合、1メートルあたり7.8円かかる計算だ。それに対して、六本木ヒルズは7.6円、東京タワーは5.7円。確かに、「大きな差がある」とまでは言えなさそうだ。なお、ランドマークタワーは3.7円で、かなりの割安感がある。また、東京都庁の展望室(202メートル)は、そもそも無料で入場できる。
ドバイの世界一展望台(452メートル)は約2180円
首都圏以外に目を移すとどうか、大阪のシンボルとして知られる通天閣(91メートル)は600円で1メートルあたり6.6円。さっぽろテレビ塔(90メートル)は700円で、1メートルあたり7.8円。福岡タワー(123メートル)は800円で、6.5円。こうして比べていくと、やはり、スカイツリーだけが割高ということでもなさそうだ。
ただ、国外の超高層建築と比べると、内外価格差があるようだ。世界で最も高い高層ビルとして知られる、ドバイ(アラブ首長国連邦、UAE)のブルジュ・ハリファの展望台(452メートル)の入場料は、100ディルハム(約2180円)で、1メートルあたりだと4.8円。スカイツリーよりも割安だ。
ブルジュ・ハリファが完成する2010年まで世界1位の高さを誇っていた台湾の台北101(391メートル)の入場料は、400台湾ドル(約1120円)。1メートルあたりだと2.9円で、さらに安い。台北101が完成する04年まで首位だったマレーシア・クアラルンプールのペトロナスタワーも、ほぼ同水準だ。
前出のヤフーの投票に参加した人の中にも、こうした国際比較をした利用者がいる模様で、
「ドバイのなら3000円払うけどね。台北101に上ったことあるし、高さは大して変わらんから3000円かかるんなら行かないね」
といった声もあがっていた。