1億円が数十億円にはなる?
東証の株主には、証券会社が多くを占めるが、銀行や保険会社、少ないが一般事業会社もいる。東証は「株主は当社と関係のある事業会社であって、投機目的で保有するところはありません」という。
リーマン・ショック後の業績不振で上場を延期している東証だが、2011年は大阪証券取引所との経営統合に向けた協議がはじまる。それに伴い、「統合比率の透明化を確保するためにも、早めに上場したほうがよい」との声も市場関係者のあいだで漏れてきた。
ところで、上場益を手にしたいとの思いは、GSに限らず、どの証券会社にもあるはず。では、いったいどのくらいの利益があるのだろう――。
東証の株式は、株式会社化した01年に証券会社に2万株ずつを割り当てた。そのときの出資額が1社1億円とされるので、1株5000円になる。これがどの程度値上がりしているかだが、前出の市場関係者は「上場益は数十億円にはなる」とみている。
すでにジャスダック市場に上場している大証の株価は、2011年5月26日の年初来安値でも33万7000円を付けている。大証を参考に単純計算すれば、1株あたり30万円で1社あたり60億円、1株20万円でも40億円もの含み益を生むことになる。