退陣表明後「持論」をブログ掲載 菅首相の「私と風力発電」

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広報担当審議官「まさかここで、30年前からの話が登場するとは」

   このブログの内容は、さすがに首相周辺も唐突だと受け止めたようで、例えば、菅首相と古くから親交がある下村健一内閣審議官(広報担当)は、ツイッターに

「『これ、ブログに載せて。』いつものように唐突に、菅さんから原稿メールが届いた。不信任案否決後初のブログ、この激動の最中に一体何を書いたのか、と興味津々で開いたら…タイトルは『私と風力発電』!? この人は、色んな意味でスゴいわ」

と書き込み、驚きを隠さなかった。ただ、下村氏は、

「まさかここで、30年前から聞かされてた話が登場するとは」

とも書いており、決して唐突に飛び出した話ではないようだ。

   確かに菅首相は前出のブログの中で、1980年暮れに米国の風力発電所を視察したエピソードを披露しているし、首相の公式サイトのブログにも、風力発電の話題が散見される。例えば、01年9月10日には、内需拡大策を論じる中で、

「10年以内に電力の内10%を風力でまかなうという目標を決めればこの分野の投資が進む」

と、具体的な数値目標を示しているし、07年8月24日には、ドイツの電力会社が風力や太陽光で発電された電力を高く買い上げていることを紹介した上で、

「日本では風力などクリーンエネルギーによる発電を電力会社は販売価格よりかなり安い価格でしか買わない。電力会社としての経済合理性から言えばそうなるのだろうが、政策的には無策としかいえない」

と、電力会社批判を展開している。

   官邸ブログの6月6日の記事によると、「自然エネルギーによって発電した電気を固定価格で買い取る」という制度の法案が、東日本大震災が起こった3月11日に閣議決定されている。菅首相はブログの中で、

「このために少し遅くなってしまいましたが、この法案は、今の国会に出しています。この法案を成立させ、早期に採算が取れる水準に価格を設定すれば、風力や太陽光発電は、爆発的に拡大するはずです」

と訴えてもいる。

   「やりたいことが見えない」と言われ続けた菅政権だが、数少ない「やりたいこと」のひとつが、退陣表明後に示された形だ。

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