菅直人首相が、首相官邸のブログの自分のコーナーを更新した。退陣の意向を示してから更新するのは初めてだ。その中で語られているのは政局のことではなく、題して「私と風力発電」。「原子力には詳しい」と自称していたとされる菅首相だが、実は、風力発電の推進は昔からの持論なのだという。
「風力や太陽光発電は、電力会社からは邪魔者扱い」
官邸ブログの中には「先を見すえて」と題したコーナーがあり、「菅直人直筆のページ」とうたわれている。このコーナーが2011年6月6日夜、更新された。退陣表明以降、初めての更新だ。
だが、その文面は、政局とはかけ離れたものだ。冒頭に、退陣を表明した民主党代議士会での発言が引用してあるものの、
「この中で述べた『次の時代』という言葉で私が思い描くものを、これから綴っていきたいと思います」
と、ひたすら風力発電のことが説明されている。
ブログでは、
「私が初当選して、30年余。この間、風力や太陽光発電は、電力会社からは邪魔者扱いされ、その結果として、せっかく優れた技術を持ちながら本格的な開発ができず、ヨーロッパ諸国に比べて大きく立ち遅れてしまいました」
と、電力会社を批判。その上で、
「今回の原発事故を契機に、エネルギー基本計画を白紙から見直し、風力や太陽光発電などの自然エネルギーを『次の時代』の基幹的エネルギーとして育てることにしたいのです」
と、退陣の意向を表明した6月2日の会見と同様の説明をしている。