6月20日から高速新料金 土日祝日は「終日5割引」決定

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   国土交通省は2011年6月7日、20日以降の高速道路の割引体系を明らかにした。「休日上限1000円」や、全国50区間で行われていた無料化の社会実験が終了する一方、東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の被災者向けに「無料化制度」を設ける。その結果、大都市近郊区域を除く土日祝日の「休日」は「休日上限1000円」が「終日5割引」になることが分かった。

   自動料金収受システム(ETC)の搭載車を対象にした高速道路の割引は、曜日や時間帯、普通車と中・大型車の違いによって割引率が変わる。また首都高速や阪神高速を含む「大都市近郊区間」は別体系になっている。

「休日上限1000円」「無料化社会実験」6月19日深夜で終了

新たに「無料化」となる高速道路も登場
新たに「無料化」となる高速道路も登場

   現行の割引には、「平日昼間」「深夜」「通勤」「早期夜間」「休日特別」の割引がある。例えば大都市近郊区間を除く平日では、6~9時と17~20時は「通勤割引」として5割引、9~17時が「平日昼間」で3割引、それ以外は「深夜」が適用されて20~0時と4~6時は3割引、0~4時は5割引となる。首都高の場合は異なる割引率で、0~6時と22~24時のみ2割引となっている。同じ平日の1日でも、なかなか複雑だ。

   一方、大都市近郊区域を除く土日祝日の「休日」は、普通車に限定して「上限1000円」が適用されてきた。2009年3月、2年間をメドにスタートした制度だ。10年6月には、政府が「高速道路の原則無料化」の実現に向けて一部の高速道路で「無料化社会実験」を始めた。また11年2月、当面3年間の措置として、「休日上限1000円」に加えて、ETC車以外も含めた普通車の「平日上限2000円」という新たな割引制度を発表した。ところが3月11日に発生した東日本大震災の影響もあり、この計画の実施は見送りとなった。

   国土交通省は2011年6月1日、「休日上限1000円」「無料化社会実験」ともに、6月19日深夜で終了すると発表した。6月20日以降はどうなるのか。国交省高速道路課に聞くと、大都市近郊区間を除く高速道路の場合、休日の普通車の割引率は、現行の「終日5割引」がそのまま適用される。例えば料金3000円となったら、これまでは上限1000円だったが20日以降は1500円支払わなければならない計算だ。また「無料化社会実験」が終了する区間は、他の高速道路と同じように「平日昼間」「深夜」など時間帯に応じた割引となる。

「罹災証明書」を高速料金所で提示

   2つの制度が終了するのと入れ替わって6月20日から新たに始まるのが、中型車以上の車と震災の被災者を対象にした、高速道路の無料化だ。茨城県の水戸インター以北の常磐道、福島県の白河インター以北の東北道、福島県と新潟県を結ぶ磐越道が対象となる。東北地方には「無料化社会実験」に含まれていた道路があるが、実験が終了しても今回の措置に該当する区間は無料が継続される。

   高速道路の入り口、出口のいずれかを使えばよく、被災者の場合、料金所で「罹災証明書」を提示する。トラックやバスなどの中型車は被災者以外でも無料となり、入り口で発行される通行券を出口で渡す。

   被災地では鉄道が寸断された地域もあり、移動手段が車だけというケースも多いため、この措置には歓迎の声が上がっている。今夏には一般車も無料化するとも伝えられており、被災者支援に加えて、東北地方へのヒトやモノの流れを活性化させるねらいがあるようだ。

   実は、「休日上限1000円廃止」も「被災者無料」も、6月7日時点で国交省や高速道路会社のウェブサイトには詳細が掲載されていない。国交省高速道路課は、被災者無料化について「もともと今夏に、全車を対象にした無料化の要望が出されていたが、財源や(料金徴収の)システム対応に時間がかかるため、今すぐできる『暫定措置』として行う」とし、「各高速道路会社を通じて情報を提供していく」と話すが、「新制度」の開始まで2週間を切っており、利用者にどこまで周知できるか疑問が残る。

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