2週連続で予選落ちするなど不調が続くプロゴルフの石川遼選手(19)が2011年6月7日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、「良い経験で良かった、で終わらないようにしたい」と、近く開幕する全米オープンへの意気込みを語った。ただ、「どれだけ叩きのめされて帰ってくるのだろうか」と、不安をのぞかせる一幕もあった。
石川選手は冒頭、「あまり英語が上手くないので、ここからは日本語で話したい」と、比較的流ちょうな英語であいさつ。会場の笑いをさそった。
勝つための第1歩、第2歩としてとらえる
質問は6月16日に米メリーランド州で開幕する全米オープンに集中した。入賞の目標については、
「出場権を得られたことについては、すごくほっとしている。だが、49位、ギリギリで出場権を得られた立場としては、(自分の)実力というものが上位とどれだけ差があるかを痛感している。出場できるということについては、ものすごくわくわくしているが、『どれだけたたきのめされて帰ってくるのだろうか』という気持ちも反面ある。とにかく今は、日本国内で練習して試合に備えたい」
と、謙虚な受け答えに終始。
さらに、
「今回のUSオープンに関しては、いつか勝ちたいという気持ちがあるので、そのための勝つための第1歩、第2歩としてとらえている。決して『良い経験で良かった』で終わらないように、『勝つためには、こういうことが必要だった』ということまで、自分で理解して肌で感じて帰ってこられるように、上位を目指してプレーしたい」
と、今大会では成果を出せないとしても、長いスパンで成果をあげたい考えだ。
「すごくいい調整はできている」
この2週間の不調ぶりについては、
「ゴルフはミスと戦っていくもの。そのミスをどうリカバリーするかというと、グリーン周り、アプローチとパット、これがすごく重要。だが、この分野で、この2週間、自分自身精彩を欠いているというか、どうしても悪いサークルに入っている。カップに入れたくなると、逆にどんどんボールがカップから遠ざかっているという悪い連鎖がある。これと2週間戦ってきた」
と釈明。その上で、
「今週1週間トーナメントはないが、すごくいい調整はできている。全米オープンに向けて手応えを感じている。この1年間終わったときに、『ああ、予選を2週連続で落ちた週もあったなあ』ぐらいで追われるシーズンにしていければ、全く問題ない」
と、やや強気な見通しを披露。会場の拍手を浴びていた。