2号機「とてつもない事故」寸前だった 作業員に「ここから出るのは止めません」

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   福島第1原発2号機は、原子炉そのものが爆発危機にあった可能性が強まっている。万が一これが起きていれば、これまでの建屋の水素爆発をはるかに超える甚大な被害が出たものと見られる。

   事故直後の2号機が「これまでにない危機」だったことを、2011年6月5日放送のNHKスペシャルが報じた。

ベントできないことが致命的

   番組によると、1号機、3号機の建屋が相次いで水素爆発した後の3月14日夕、福島第1原発は、予想を超える深刻なシミュレーション結果に直面した。

   それは、格納容器から気体を抜いて圧力を下げる操作のベントが2号機でできないことが分かったことだ。

   1号機では、電動弁が使えなかったが、作業員が高い放射線量で被曝しながらも、手動で弁を開いてベントを行っていた。ところが、2号機では、シミュレーションでそれができないことが分かったのだ。

   確かに、ベントを行っても、1号機ではその後すぐに水素爆発が起きていた。政府関係者の予測を超えて、水素が建屋内に漏れ出していたからだ。しかし、ベントが行えず、もっともっと深刻なことが起きる可能性があったというのだ。

   原発事故に詳しいある原子炉専門家は、こう指摘する。

「ベントができないということになれば、格納容器の内圧が高まってしまい、どうにも制御できなくなって壊れてしまうということです。これは、本当にとんでもないことで、その内圧で原子炉そのものが爆発して核燃料が飛び散ってしまうことにもなります」
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