大震災40分前から電子量が急増 地震予知実現にわずかな可能性

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   東日本大震災発生の40分前、震源地上空の「電離層」の電子量に異常があったことが、北海道大学理学研究院の日置幸介教授(地球惑星物理学)の研究で分かった。スマトラ沖地震など、過去の大地震前にも同じ現象が確認され、地震予知に役立つ可能性が期待されている。

   日置教授によると、地震後に大気中の電子の量が変動することは数年前から知られていたが、今回、地震前にも変動することが明らかになったという。

チリ地震、スマトラ沖地震でも電子の増加が確認

   地上約300キロメートルの「電離層」の電子の量を、国土地理院の全地球測位システム(GPS)を使って解析したところ、地震発生40分前の2011年3月11日14時以降、震源となった三陸沖上空で、電子の量が平均して約1割増加していた。

   過去の大地震も解析したところ、2010年2月のチリ地震(M8.8)では発生40分前から、スマトラ沖地震(M9.1)でも90分前から電子の増加が確認された。なぜこのような現象が起きるのか、詳しいメカニズムは明らかになっていない。

   また、2003年9月に北海道で発生した十勝沖地震(M8.0)では電子の増加を確認することができなかった。「M8.2とか8.3でも、後から解析すると気づくというレベル。M9レベルでないと事前には気づくことはできない」とし、まだ予知の役に立つものではないとするが、

「今はGPS衛星を使って上空から見下ろして解析しているが、電子が増えるもともとの原因は地面にある。そのメカニズムを突き止めて地表で観測すれば、精度も上がるかも知れない。地震発生に電気が関わっていることは間違いない」

と話している。

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