菅続投でも「今後は協力してやっていく」?
原口一博氏は、原発事故について政府が学校の放射線量を年20ミリシーベルトに緩和したことを批判していた。しかし、この点にも一定の回答があったので不信任反対に回ったと説明している。
とはいえ、菅首相が辞任するのは、原口氏が考える2、3か月後より先だと報じられている。また、放射線量の規制を本当に強めるのかも分からないままだ。とすると、原口氏はまた、世論の風向きを見て即時辞任要求に変わるのか。
原口氏の国会事務所秘書は、取材に対し、本人でないと明確に答えられないとしながらも、「そうではなく、今後は協力してやっていくということです」と説明した。辞任時期を確かめなかったことについて、「いつ辞めるかは追及しません。この状況下なので臨機応変に対応することにしています」とした。
ただ、発言が軽かったりブレたりすれば、有権者の信頼を失う恐れがある。この点については、「今後は、発言には注意して、もう少し慎重でなければいけないと思っています」と言っている。
原口氏個人をよく知る政治部関係者は、ブレ発言の背景についてこうみる。
「結果的に日和見に見えてしまいますが、ズルさという意味ではそうとも言えないでしょう。気分にむらがあり、ハイのときとそうじゃないときで、ブレは結構あるんですよ。東大心理学科を出ており、頭がいいので、自分の言葉に酔うんじゃないですか。本人は、臨機応変に対応していると思っており、矛盾は感じていないでしょうね」
原口氏は「求められれば逃げない」と次期首相に強い意欲を示しているが、この関係者はこう指摘する。
「確かに、瞬間的に判断できる対応能力は高く、テレビ受けするタレント向きだと思います。しかし、ブレずに大きな政策に取り組むのは難しいと思います。長期的プランを立て、地道に周囲を説得するのは苦手でしょうから。こうしたタイプは、わりと民主党内に多く、いずれも震災復興を手がける首相の器としては疑問がありますね」