原発の不安と、物資不足の中で
相馬市のえくせるは指定認知症対応型グループホームで、福島第一原子力発電所より37km圏内に位置し、現在は寝たきりの方3名を含む、9名の高齢者が利用されています。
震災後も原発の影響で未だに物資が手に入りにくい状態です。これからの夏場は33度近くまで気温が上がりますが、電力不足から節電要請も来ることが予想され、暑さ対策に不安を抱かれていました。その一方で、認知症の方は環境が変わるとパニックに陥るため移転も決断できなかったとのことです。
グループホームえくせるがある福島県の海沿いの地域では、原発による先の見えない不安、放射線と避難指示の恐怖、物流の不十分さが常に人々を悩ませています。特に障害者や高齢者を介護されている福祉施設には、こうした不安が重くのしかかっていることを、今回の訪問であらためて実感しました。
難民を助ける会では、支援の手がなかなか届かない福島県の高齢者施設などへ、支援を継続してまいります。
(難民を助ける会 仙台事務所 田中 育)
認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団
体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
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