被災地で「餓死12人」の真偽 国会議員の指摘に大反響

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震災がらみで衰弱死する例はあった

「うちの患者さんなんですが、震災後に衰弱して亡くなった80代のおばあちゃんがいたんですよ。体が不自由だったため避難せず、息子は、食べ物を家に残し、枕元にも、おむすび3つを置いて家を出ました。3日後に避難から戻るつもりだったんですが、いざ家に戻ると、おむすびも食べずに亡くなっていました。これは、震災がらみの例と言えると思います」

   高齢者には、車もなく買い物に出る体力もない人が多く、中には自力で食べられない人もいる。また、南相馬市に支援物資が山と届いても、市内にそれを配達する人もいない状況だ。息子などもいない高齢者には、震災後は介護の手もなかなか届かなかった。こうした中では、衰弱死する高齢者がいても不思議ではないという。

   この内科医は、衰弱死には、老衰も含まれるのではないかとしたが、違う見方をする別の内科医もいた。この内科医は、こう言う。

「老衰なら、『老衰』と書きますし、『衰弱死』とは書かないでしょう。こう書くと、食べ物を与えられないなどして、衰弱しなくてもいいのにそうして亡くなったという意味が感じられます。避難を促されても家を出たくないという体が不自由なお年寄りなら、衰弱死する可能性はあると思いますね」

   衰弱死に老衰も含まれるかについて、南相馬市の市民課では、医師が書くものなのでよく分からないとしながらも、死亡届には、「老衰」の記載もあることを認めた。そして、「衰弱死」の記載も多いかについては、「そんなに見ないと思います」と明かした。

   つまり、7人もいるということは、震災がらみの可能性があるということのようだ。

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