西岡参院議長の「倒閣宣言」 大手マスコミ支持と批判に二分

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読売社説は西岡発言「おおむね妥当な見解」

   西岡発言には、全国紙の論調もまっ二つに割れている。そもそも菅内閣退陣に比重を置き、西岡氏のインタビューや寄稿を掲載した産経と読売は、西岡氏に歩調を合わせる。読売社説(20日付)は、西岡発言を「おおむね妥当な見解」と評価し、「菅政権が十分機能しないのであれば、新たな政治体制を模索する必要がある」と踏み込んだ。産経も主張(21日付)で「民主党が機能しないのは、西岡氏が指摘しているように、菅首相に最高指導者の能力、資質が欠落しているところが大きい」と断じた。

   これに対し、朝日が21日付社説で「立法府の代表が院としての決定もないのに、行政府の長である首相の進退を口にするのは看過できない」と批判した上で、「危機のさなかには、足を引っ張るのではなく、力を合わせる。そんな当たり前のことができない政治のありさまには、うんざりしてしまう」と「倒閣」を批判。毎日は直接、西岡問題を取り上げてはいないが、24日付社説で「原発に政局持ち込むな」と、菅降ろし優先の野党の対応に苦言を呈している。

   一般記事でも、産経は27日付朝刊で「広がる不信任同調の動き」との記事を掲げ、「民主党議員の大量欠席で不信任案が可決するシナリオが現実化しつつある」と分析して見せ、読売は同日、サミット・日米首脳会談の関連記事で、わざわざ「首相訪米 実現危ぶむ声 『菅降ろし』強まる」と書いた。毎日も、首相即時退陣には否定的で、一般記事でも「『菅降ろし』足踏み 内閣不信任案与野党に広がらず」(25日付朝刊)など冷ややかに報じている。

   もちろん、朝日や毎日も無条件の菅首相支持というわけではない。朝日の星浩編集委員が、続投指示の条件として「次々と政策を打つ。…『通年国会』とする意気込みが欠かせない」(21日付朝刊)、毎日の与良正男論説副委員長も「菅さん自らが『通年国会にしよう』と言ってみたらどうだろう。そうすれば…捨て身の覚悟が伝わる」(25日付夕刊)と、両紙の論客が奇しくも同様の論陣を張っている。

   西岡議長は5月30日夜のテレビ番組でも、首相の存在が与野党協力の実現を阻んでいるとして、菅首相の退陣を求めた。

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