来年に原発「全停止」の可能性 これで夏ピーク乗り切れるのか

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現在稼働している19基も次々定期点検

   現在運転中の原子炉についても課題がある。関西電力の美浜原発をかかえる福井県美浜町の議会では2号機の停止を求める意見が出ているほか、九電の玄海原発1号機については、「脆化」と呼ばれる老朽化現象が、従来の想定を超えて進行していることが明らかになっている。運転停止を求める声が高まるのは必至だ。

   さらに、現在正常に稼働している原子炉も、定期点検が必要だ。

   例えば、震災直前の11年2月から4回目の定期検査に入っている東北電力の東通原発1号機の場合、前回3回目の定期検査は09年9月12日から10年1月17日、2回目は08年3月22日から8月13日にかけて行われている。東通原発1号機は05年12月に運転を始めたばかりで比較的新しいが、検査と検査の間の通常運転期間は、せいぜい1年強に過ぎないのが実情だ。

   現在稼働している19基の原子炉のうち、10年6月下旬に点検を終えた関電の大飯4号機、高浜4号機は、11年7月下旬にも再び点検入りすることになっている。試験運転中の北電・泊2号機と関電・大飯1号機を除くと、最も点検終了から日が浅いのは東電・柏崎刈羽原発6号機(11年3月9日点検終了)。12年春~夏には再び点検入りする見通しだ。「一度止めたら、再び動かすのは困難」となっている現状が続けば、12年夏には「原発全停止」という事態も考えられ、さらに厳しい節電を迫られる可能性もある。

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