「解散ありうる」は単なる牽制球?
枝野幸男・官房長官は、「(大震災は首相の解散権に)全く影響するものではない」との認識を5月27日の会見で示した。こうした「解散もあり得る」とする発言については、「本気ではなく、造反への単なる牽制球だ」との声もある。
元時事通信編集局長で政治評論家の杉浦正章氏は、不信任案が可決された場合でも、「99%解散はできない」という。政党支持率を見ても「自民に負ける選挙」になってしまうからだ。
不信任案が通るかどうかは、「政治は『はずみ』で大きく動くものなので、現段階では論評できない」が、仮に否決されても「菅政権は長くない」とみる。案を提出されること自体が問題だし、そもそも一連の大震災対応が「保身とパフォーマンス」に堕しており、「菅首相の存在自体が国難」だからだという。
一方、菅首相をめぐっては、大震災発生前から「3月危機」や「5月危機」が唱えられ、解散して選挙に勝ち目はなくても、「イラ菅」と称される性格から「やぶれかぶれ解散」に踏み切るのでは、との見方が広がっていた。2010年11月には、小沢氏が会合で「菅首相のやぶれかぶれ解散」を懸念する考えを示したことが、報じられている。
「解散は怖い、でも解散がないなら不信任案に賛成してでも菅首相には退陣してほしい」――そんな与党議員は、どんな行動をとるのか。