「白煙上がった」「半径300キロ内壊滅」  「もんじゅ」巡るデマ騒動相次ぐ

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   福島第1原子力発電所の事故に終息のメドが立たないなか、今度は高速増殖原型炉「もんじゅ」への懸念が高まっている。過去に何度もトラブルを起こし、今は原子炉容器内に機器が落下したまま運転がストップした状態だ。

   そのせいか最近、もんじゅに関してネット上で騒ぎが相次いだ。出所不明の資料に基づいた「デマ」も広がった。

煙の正体は蒸気「放射性物質含んでいない」

ウェブサイトで公開されている「もんじゅ」のパノラマ写真
ウェブサイトで公開されている「もんじゅ」のパノラマ写真

   「もんじゅから白い煙が上がっている」との情報がツイッター上に出始めたのは、2011年5月28日午前。もんじゅを運営している日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、ウェブサイト上で15分おきにもんじゅの外観のパノラマ画像を更新、公開しているが、それを閲覧した人が「異変」を発見したのだ。

   ネット掲示板には、更新されたパノラマ画像が張り付けられたが、午後になっても白煙が出続けていた様子が分かる。ツイッターでは「いよいよやばいの?」「絶対に起きてはならない事が起きているのかもしれない」と、事態を恐れる投稿が書き込まれ、中には「拡散をお願いします」と情報を広めようとするユーザーまで現れた。

   結局この白煙は、トラブルではなかった。原子力機構は煙について「ボイラーから放出されている蒸気で、放射性物質を含んでいない」と説明。サイト上でも「異常ではありません」と呼びかけた。

   もんじゅは1995年、ナトリウム漏れによる火災が発生し、運転を停止。2010年5月に運転を再開したが、同8月には核燃料の交換の際、原子炉容器内に機器が落下する事故が起きていまだに引き上げられないでいる。不始末続きのうえ、福島第1原発の事故で誰もが神経質になっているときに起きた「白煙騒ぎ」に、大勢の人がつい飛びついてしまった格好だ。

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