「ペットを飼う夫婦では、離婚原因の2、3割」
猫などのペットを失ったことがきっかけで、離婚するような夫婦のケースはあるものなのか。
離婚事情に詳しい夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、こうしたケースは増えているという。
「子どもがおられない夫婦は、犬や猫が子ども代わりになっていることは多いですね。2人で育てていくと、それを通じて家族愛が深まることは十分あることです。しかし、ペットがいなくなったとき、違うペットを飼えなければ、家族の終わりになってしまうこともあります」
それは、ペット以外に結びつけるものがないほど、夫婦間にもめ事や違いがあったときになるようだ。
岡野さんによると、背景には、子ども代わりにペットを飼う人が増えたことがある。「教育などにお金がかかることもあって、子どもを作らない人が増えています。ペットは子どもほどお金がかかりませんし、ペットOKの住まいも増えてきています。また、子育ては失敗が許されませんが、ペットなら許されます。ペットを育ててから子どもを作る夫婦も増えています」
ペットが原因で離婚などに至るケースとして、岡野さんは、夫婦のどちらかがペット嫌いで、ペットに焼きもちを焼くパターンもあるとする。「ペットもなかなか、なつかないんですね。ペットながら、そんな人は敵だと焼きもちを焼き、かえって夫婦が仲違いする原因にもなるんですよ」
さらに、お互いにペット好きでも、ペットを甘やかせすぎるといった育て方の違いで仲違いするパターンもあるという。
こうしたことから、ペットを飼っている夫婦では、それが離婚原因の2、3割をも占めているそうだ。岡野さんは、離婚を防ぐには、2人の時間を大切にしなければならないと説く。
「夫婦間で、『ノーペットデー』を作らないといけません。それが克服法としては1番だと思います。何でもペット中心では、よくありませんから。2人が仲良くなってこそ、ペットにも愛情を注げるようになります。それは、子育てと同じことですよ」