次期社長人事「誤報」と言えるかは微妙
誤報を指摘された5月20日の夕刊(東京本社4版)を見ると、1面に掲載された「東電、赤字1.5兆円」という見出しの記事で、清水社長の退任の意向についても触れている。その中で、次期社長について、
「後任には元副社長の築舘勝利常任監査役(69)、武井優副社長(61)らがあがっている」
と、断定的な表現を避けてはいるものの、西沢氏ではない名前を挙げている。赤字の額は実際とはズレがあるものの、人事についての表現が「誤報」と言えるどうかは微妙だ。
ある朝日新聞OBは、「誤報」とまで言われるのは心外だといった反発が、今回の「黒塗り」の背景にあるのでは、と推測する。
もっとも、朝日新聞広報部では、「黒塗り」の経緯について、
「お尋ねの広告は、広告主が作成したものです。内容については広告主にお尋ねください」
と説明する。元々「黒塗り」された状態で広告が出稿されたとの主張だ。広告主といえば普通は文春を指すと思われる。文春は読売と朝日と別々に広告を作って出稿するという不思議なやり口をしたことになる。