「領土問題に危機感なし」に激高 役人に「水かけた」衛藤議員の言い分

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外務省OB「劣化した組織の不遜な体質」

   衛藤氏の行為に対しては、松本剛明外相が自民党へ申し入れをする考えを表明。自民党内からも「物理的に力を加えることはあってはいけない」(石破茂・政調会長)、「一部の外務省員に不快な思いをさせ心からおわびする」(小野寺五典・党外交部会長)と陳謝の声もあがっている。

   一方、インターネットで配信された関連ニュースのコメント欄では、「水をかけるのは良くないが、(衛藤議員の)意見は正しい」などと外務省の緊張感のなさを批判する声が多く寄せられている。

   そんな中、「水をかけられた外務官僚のほうがもっと悪い」と題したブログを更新した元外務官僚がいる。元駐レバノン特命全権大使で、「さらば日米同盟!」(講談社)などの著書がある天木直人氏だ。天木氏に話をきくと、「『政治家が水をかけた』論に問題を矮小化してはならない」として次のように持論を展開した。

   ――「水かけ」が「蛮行」なのは間違いない。しかし、外務官僚の態度が衛藤議員主張の通りなら、官僚のほうがさらに悪い。韓国議員の北方領土訪問について、何の策も打てないので、衛藤議員を無視してヘラヘラごまかすしかなかったのだ。これは許し難い怠慢で、職員個人の問題ではなく、劣化した組織の不遜な体質がにじんだものだ――

   勿論、日本政府もまったく無策というわけではない。武藤正敏・駐韓大使は5月24日、韓国の外交通商第1次官に抗議した。一方、自民党は25日、党外交部会などの合同会議で、韓国に抗議の意思を示す衆参両院決議をする手続きを進めることで意見が一致した。衛藤議員は、「大使の抗議レベルではまったく不十分だ」と政府を批判している。

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