乱用も心配、製薬会社は啓発へ
緊急避妊薬のメリットは多いようだが、その乱用も心配されている。薬に頼って、コンドームを使わなくなる可能性が考えられるからだ。
妊娠のすべてを阻止できるわけではないため、薬に頼ることによるトラブルが起きないのか。あすか製薬の広報部長は、この点について、こう説明する。
「避妊のために、日常的に飲む低用量ピルとは違います。あくまで、性行為の事後に、緊急避難的に使うものです。ノルレボ錠を頻繁に飲むと、副作用の症状が強く出るリスクがあります。ですから、医者が多めに出したり、患者さんがたくさんの医者を回って薬をためこんだりすることはあってはいけません。そうならないように、医者や患者さんへの啓発活動をすることにしています」
コンドームを使わなくなって、性病にかかったり、エイズが広がったりする恐れはないのか。
この点については、「10年余り前に避妊用のピルが承認されたときも、同じような危惧が指摘されました。しかし、ピルに頼って、性病やエイズが広がったという話は聞いたことがありません」と反論している。欧米などで、ピルほど緊急避妊薬が使われていないのは、緊急避難的な使用に絞られているからだという。