内閣府が2011年5月24日に発表した5月の月例経済報告は、東日本大震災の影響が続いていることから、景気判断を「弱い動き」に据え置いた。個人消費は判断を据え置いたものの、設備投資や住宅建設、企業収益といった項目を下方修正した。
個人消費は、節電や消費マインドの悪化などを受けて、弱い動きを続けている。設備投資は「持ち直している」から「東日本大震災の影響により、このところ弱い動きがみられる」に変更。2009年12月以来、1年6か月ぶりに判断を下方修正した。住宅建設は10年6月以来、11か月ぶりの下方修正。企業収益の判断も、09年3月以来2年2か月ぶりに引き下げた。
また、先行きについて、電力不足による生産の停滞に加え、福島第一原子力発電所の事故の影響をあげて、内閣府は「放射線による農産物への影響や、個人のマインド悪化による消費の下押しリスクに掲げる必要がある」との見方を示した。