「つながりにくさ」の改善にむけた動き
もっとも、「つながりにくさ」の改善にむけた動きは出ている。
ソフトバンクは5月9日の記者会見で、孫正義社長が、携帯電話基地局など設備強化のため、設備投資額を2011年度は5000億円(前年度は4205億円)に積み増す方針を明かしている。「現時点でのドコモやauと同等につながるようにしたい」と話した。
KDDIは5月17日、スマートフォン向け公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を6月末から開始すると発表した。これは、無線LAN接続ができる場所であれば、自動的に通常の3G回線から無線LAN接続に切り替えてくれる機能。場所は限られる(2012年3月末までに約10万スポットを予定)ものの、スマートフォンで画像や動画データなどを大量にやりとりするなら、無線LANの方が通信速度もはやく安定している。
NTTドコモは、東日本大震災の教訓から、災害時でも「つながる」取り組みに積極的だ。5月16日の発表会で山田隆持社長は、通常の基地局とは別の大ゾーン基地局(全国に約100局)を設置すると述べた。災害や停電時、人口密集地の通信を確保するために取り組むなど2011年度は災害対策費に235億をあてる。このほか、ドコモは2011年冬、現在の「3G」よりも高速大容量な次世代モバイル通信規格「LTE」を用いた通信サービス「Xi」(クロッシィ)に対応したスマートフォンを発売予定だ。