国内の個人の買い意欲は低調
半面、国内の個人の買い意欲は高まらない。野村証券がネットを通じて個人投資家1000人の意向を毎月調査する「ノムラ個人市場観指数」は5月、10年11月以来、半年ぶりに株価の先行きに下落を見込む人が増えたことを示した。野村は「東日本大震災を悲観する向きが増えた」と分析している。
足元で外国人の意欲もやや鈍っている。5月の買い越し額は第1週が762億円で、第2週は796億円。3月第3週に9552億円を買い越したころの勢いよりは弱い。原油や金など商品市場が乱調気味なことに加え、このところ米株市場も上値が重いことから「日本株でリスクを取りにくくなっている可能性がある」(大和証券)という。
とはいえ、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった米大手証券会社が5月末から6月初めにかけ、相次いで東京都内で内外の機関投資家向けに日本の復活をテーマにしたセミナーを開くなど、なお海外勢の買い意欲を反映した動きも起きている。枝野幸男官房長官が東京電力に融資する銀行に債権放棄を求めるなど、金融市場の波乱要因も少ないなか、市場の売買の7割弱を握る外国人投資家の動向がますます注目されそうだ。