70代、80代以上のインターネット利用率が3年続けて増加している。70代ではおよそ4割に達した。
ブログを更新したり、交流サイト(SNS)に登録して同じ趣味の会員を見つけたりと使い方の幅も広がりつつある。一方でショッピングは興味を示すものの、利用頻度はまだ低いようだ。
SNSで知り合った後は頻繁にオフ会
総務省が2011年5月18日に発表した「通信利用動向調査」によると、年齢階級別インターネット利用率で70~79歳が39.2%、80歳以上が20.3%に上った。この結果について調査会社シニアコミュニケーションに聞くと、70代前半の男性は、在職時にパソコンに親しんでいた世代だという。一方で、調査では、「1年間にインターネットを利用したことがある人」はすべて含まれるため、必ずしも全員が頻繁に利用しているとは限らない。ネットに接続するうえで、ヘルパーや親族といった周囲の人の手助けを得ている人もいるだろう。
とはいえ「純増」した部分もあるはずだ。シニアコミュニケーションによると、最近多いのは、地域の高齢者の会合に通信会社の担当者が来て「ネット教室」を開く例だという。ネットを利用しない高齢者のデジタルデバイド(情報格差)を減らしていくためだ。ネットに詳しい高齢者が、初心者に教えるパターンもあるという。
ではどんなサービスを利用しているのか。シニア向けSNS「スローネット」を運営する日本テレネットによると、2011年4月末時点の会員数は約9万6000人で、うち70歳以上が4分の1を占める。スローネットは2000年にスタートしたが、会員は毎年安定的に伸びていると担当者は説明する。
趣味が共通する会員とネット上でグループを作り、交流する――。SNSでは一般的だが、スローネットの場合は「同じ『グループ』に属する人が、実生活で顔を合わせて『オフ会』を頻繁に開き、一緒に趣味を楽しむ傾向があります」(日本テレネット担当者)。他人の書き込みに共感を示し、相手を褒める人が多いのも、シニアSNSの特色だ。