大手だから「ブラック企業なし」とはいえない
全労連によると、今年は解雇や雇い止めよりも残業代などの未払いの相談が増えたという。さらには、パワハラやセクハラなどのいじめや嫌がらせも増加。「いじめは潜在的なケースが多いので深刻です」と話す。
職場での仲間はずれやいじめによって精神的に追い詰められ、うつ状態に陥るなど病気をきっかけに勤務先を休みがちになって辞めさせられたり、職場復帰しても配置換えや退職勧奨されたりと、企業が辞めざるを得ない状況をつくり出すケースは少なくない。
全労連は「こうした相談自体が氷山の一角でしかありません。むしろ、泣き寝入りしている人や相談する場所がわからない人のほうが多いんです」という。
相談者は製造業や商業・サービス業、建設業などで、中でもそこの中小企業に勤める人が多い。しかし、たとえば中小の製造業は大手企業の下請けが少なくなく、「大手企業の無理な注文に応じるために解雇や(残業代の)未払いが起こっているのが実態です。大手にしても、みなし労働など法の網をうまくかい潜ろうとします。大手だからといってブラック企業ではないとはいえません」と指摘する。