いよいよ大投手への道を歩み出したという感じである。日本ハムのダルビッシュ有が2011年5月18日のヤクルト戦で5連勝をマーク。20勝超えの期待が膨らむと同時に、大リーグからも再び熱い視線を浴び始めた。
セとパのチームが対戦する交流戦。ダルビッシュはセの首位を走るヤクルトを軽くひねって見せた。8回を無失点で投げ切り、17イニング連続無失点で5勝目。これでプロ入り7年目で通算80勝となった。
離婚話を吹き飛ばす快投
「脱帽ですな。分かっていても打てない」
ヤクルトの小川監督は、むしろあっけらかんとしていた。力だけでなく技も駆使して投げたダルビッシュ。格の違いを見せつけた。
「(80勝は)ただの区切りの数字。それが目標ではない」
ダルビッシュは淡々として振り返った。自信があふれていた。夫人との離婚が取りざたされたが、それも落ち着き、精神的安定もあって素質開花といったところである。