暴落の背後にファンドの存在
銀の暴落について、ある市場関係者は「金のようにマーケットが大きければ、(大口の売却も)吸収できるが、銀のような小さなマーケットではそれは無理。ファンドなどの大口投資家が相場を左右するケースは少なくない」と指摘する。暴落の背景にはファンドの存在があるというのが専らの見方だ。そして、大きな穴が開いたあとに、あわてて個人投資家が逃げ出し、それが下落を加速させた形だ。
一方、金相場もニューヨーク金先物相場が2011年5月2日に1オンス1577.4ドルを付けるまで、連日最高値を更新してきた。それが銀暴落にあわせて、5月5日に1462.5ドルに下落した。その後やや値を戻すなど乱高下したが、5月17日には3日続落の前日比10.6ドル安の1オンス1480.0ドルで取引を終えた。
国内でも5月18日のTOCOMの金先物相場は前日比21円安の1グラム3898円と、4000円を割り込んでいる。
前日に、米国の著名な投資家ジョージ・ソロス氏が率いるヘッジファンドが1~3月期に金上場投資信託(ETF)の保有を大量に減らしたことが伝えられたこともあってか、「金を買うことにリスクがあると感じた個人投資家は少なくないはず」(市場関係者)とみていて、今後は波乱含みだ。