ホーキング博士「天国も来世も存在しない」 クリスチャンには納得がいかない?

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   「車いすの宇宙物理学者」として知られるスティーブン・ホーキング博士(69)が、英紙インタビューで「天国も来世も存在しない」と答えたニュースが話題となっている。日本語でも報じられ、インターネット上で多数のコメントが寄せられている。宇宙物理学者の中には、ホーキング博士に反論する人物もいる。

   ホーキング博士のインタビューを報じたのは、英ガーディアン紙だ。ネットでは2011年5月15日夜(現地時間)に配信された。

「脳は、壊れれば動かなくなるコンピューター」

   記事によると、天国の話題が出たのは、次のようなやりとりの箇所だ。記者は、ホーキング博士が健康不安のため2009年に入院したことを指摘した上で、「死に関して何を恐れるか」と質問した。博士は、「死は恐れていないが、死に急いでもいない」などと答えた後、脳に関する自身の考えを述べた。

   「脳は、諸部品が壊れれば動かなくなるコンピューターのようなものだと考えている」。そして、「壊れたコンピューターにとっては、天国も来世もない。それは闇を恐れる人々のおとぎ(架空の)話だ」と続けた。

   記事は、5月18日15時すぎ(日本時間)の段階でも、ガーディアンサイトの科学部門アクセスランキング1位で、コメント数は2700件を超えていた。コメント欄では「科学者はとても悪い哲学者になる」「私はパソコンじゃない」といった間接的なホーキング博士批判が多数見受けられた。

   また、「科学と信仰の統合」をうたう米「リーズンズ・トゥ・ビリーブ」という団体のサイトをみると、5人の「ドクター」らが名を連ねている。サイトには「音声ニュース」があり、ホーキング博士の今回の発言や「宇宙創造には神の手は必要としない」とした博士の以前の著書について、対話式で批判を展開している。

   英紙などによると、宇宙(天体)物理学者で同団体に所属するジェフェリー・ズェーリンク博士は、ホーキング博士の見解について、「根本的な欠陥は、神は人格をもたず、一方我々人類は人格をもっていると考えていることだ」「なぜ非人格的なものが、人格というより優れたものを作り出すことができるのか」と主張している。

「ごく当たり前の結論」

   日本でも、「知り合いの物理学者は『自然の摂理の精妙さを知るにつけ、神がいるとしか思えない』と話していた」と明かす報道関係者もいる。

   宇宙物理学者で、理系・文系の枠を超えた「新しい博物学」を提唱している池内了・総合研究大学院大学教授にきいてみると、ホーキング博士の発言については「ごく当たり前の結論」と即答した。

   さらに、「宇宙物理学者の中には意外と神の存在を信じている人が多いのでは」という見方については、「それは誤解。宇宙物理学は論理で調べる学問。いても例外的」と否定した。

   ホーキング博士のインタビューは、日本語でもロイター通信が紹介記事を配信し、5月18日17時すぎ現在、ヤフーのアクセスランキングでもコメント数でも2位を保っていた。3000件近いコメント欄には、「別に珍しい考えでもない」という反応が比較的目立つ中、「死後の世界はある」などとする「反論」や、「キリスト教の影響力が強い欧米でこんなことを言うのはある意味勇気がいる行為」という指摘もあった。

   キリスト教メディアで、週刊新聞・ネットニュース配信を日本で行っている「クリスチャン・トゥデイ」(東京都千代田区)の編集部にきいみると、「ホーキング博士の見解は、クリスチャンにとっては納得がいかない所が多い。そう感じている人が大半ではないか」との見方を示した。

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