日本航空(JAL)の稲盛和夫会長は2011年5月18日午後の定例会見で、枝野幸男官房長官が主要銀行に対して、東京電力への債権放棄を求めていることについて、「問題ではないか」と疑問を呈した。
枝野官房長官は5月13日の会見で、震災前の東電の借入金について、
「金融機関が債権放棄しないと、国民の理解は得られない」
などと発言。金融業界からは、
「現時点の感覚としては、かなり難しい」(三菱UFJフィナンシャル・グループ・永易克典社長)
「(債権放棄をさせたら)次から貸さなくなる」(東京証券取引所・斉藤惇社長)
と批判が相次いでいた。
会社更生法が適用された場合は別だが…
稲盛氏は、東京電力について
「まだ生きている会社。もちろん、今後起こる賠償・補償等を含めて、大変な負債が押しかかってくるだろうとは思う」
とした上で、
「倒産して会社更生法が適用された場合には、法律でもって債権放棄ということはあるが、何にもない中で債権放棄というのは、(専門家ではない)素人として問題ではないかなと思っている。それ以上のコメントは、東電さんの件については勘弁してください」
と、「問題あり」との見方を示した。