カラオケ店の一般客と紹介された女性は、若手芸人なのではないか――。TBS系のバラエティ番組で、こんな指摘がネット上で出ている。関係者は、ヤラセはないと言っているが、果たして…。
「ひときわ目を引く、女の子2人組が!」
「カラオケ店女性客は若手芸人では」
こんなナレーションが流れると、カラオケボックスのソファー上に仁王立ちした2人がアップになった。TBS系で2011年5月15日夜に放送された「クイズ・タレント名鑑」の1シーンだ。
この番組では、カラオケ店の部屋にタレントたちを集め、タレントは別部屋の一般客が自分の曲を歌えば帰れるという設定になっていた。女性2人組のシーンは、スタートから8時間半が経ち、まだタレント6人が残っているときだった。
2人組のうち、特に注目を集めたのは、メガネをかけた女性だ。
相方の歌の振り付けで、両足をコミカルに動かしたり、ぐるぐる回ったり、いきなり歩き出したりした。また、歌に合わせて、「女子、女子、女子…」などと連呼。タレントたちにも、「何この子」「面白~い」と大ウケしていた。
そして、倖田來未さんの曲がかかると、メガネの女性がいきなりソファー上で仰向けになって、両足を上げたのだ。スカート内映像は禁マーク加工されたが、足を開いたり、閉じたりしたため、男性タレントからは「ちょっと目覚めてきたよ!」との声が上がった。
13時間が経つと、残ったタレント3人のうち鈴木早智子さんのWink時代の曲を2人組が歌い始め、早智子さんが2人の部屋に入る感激シーンで終わった。
しかし、番組終了後に、メガネの女性は若手芸人ではないか、との疑惑が持ち上がった。2ちゃんねるでは16日、「ヤラセ疑惑」のスレッドが立ち、10年春ごろまで吉本芸人としてライブに出演していた女性コンビのうちの1人ではないかというのだ。
指摘の芸人コンビは解散したが…
この女性コンビは、別の吉本の女性芸人のブログで2010年春、後輩だとして写真付きで紹介されていた。写真では、うち1人が番組の女性と同じメガネをしており、顔立ちなども酷似しているようだ。
TBS側は、この女性に出演依頼していたことはあるのか。あるいは、たまたま女性がプライベートでカラオケ店に来ていただけなのか。
TBSの広報部では、取材に対し、次のようなコメントを送ってきた。
「お問い合わせのあった方を含め、撮影した方々には、事前にテレビのモニター調査でカメラ収録をすることのご了解は得ましたが、番組の企画意図についての説明や選曲についてのお願いなどはしておらず、いわゆるヤラセではありません」
番組関係者も、女性に出演依頼はしておらず、ヤラセや演出はないと言っている。一般客には、事前にテレビ撮影の許可を得ているという。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーによると、女性コンビは、吉本の芸人養成学校「NSC東京」を卒業後、自社所属の芸人になったが、すでに解散しているという。広報担当者は、「本人が出演したとは聞いていません。もう素人の方ですので、番組の女性が本人かどうかや出演の経緯なども分からないです」としている。
とはいえ、司会のロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも、吉本芸人であることから、その縁で女性が出演したことはないのか。
淳さんは、11年5月15日の番組終了直後、ツイッターでヤラセがあったことを否定し、「ガチです」と強調した。そのうえで、「純粋にテレビを楽しめない人が増えすぎてるよね…ガチかがちじゃないか見てたらわかるだろうに」とつぶやいている。