まもなく37歳ゴジラ松井絶不調 原因はやっぱり「年齢」か?

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   ゴジラが悩んでいる。アスレチックス松井秀喜は開幕から調子が上がらず、先発メンバーから外れることも多い。このままではファーム落ち、あるいはトレードも考えられる状態だ。

冷静な男も、イライラ募り意外な行動

   かなり焦っているな、と思わせたシーンがあった。2011年5月5日のインディアンス戦。延長12回に代打で起用されたのだが、遊撃フライに打ち取られた。その直後、バットをグラウンドにたたきつけて悔しさを見せた。いつも冷静な男にしては珍しいことだった。

「打ち損ねたね。打たなくては…」

   打てる1球を打てなかったというのだ。普通の調子であれば、まずバットをたたきつけることはない。自分の置かれた状況がそういう衝動に駆り立てたのだろう。

   4月は打率2割4分2厘という低さだった。これは大リーガーになって、故障者リストに入った2007年を除くと最低の成績。5月になり、2日に日米通算1500得点を記録し、勢いに乗るかと思われたが、低調が続いた。先発出場から外される回数が多くなり、ゴジラらしいすごさが見られない。

「ベンチにいるときは休み。休めばいい。出場したときは、結果を出すように頑張る。それだけのこと」

   松井はそう言う。常にレギュラーとして試合に臨んできただけに、ベンチに座って同僚のプレーを見るのはつらいはずである。ヤンキース時代のように、疲労を癒すために欠場していたのとは全く違う。

左投手が打てず、「右投手専用」の指名打者に

   ボブ・ゲレン監督は相手チームの先発が左投手だと、松井を外す。当初は、単純に左対左の不利を避けるためだったが、今では「打てないから」とはっきりした理由からである。バッティングを買われてのアスレチックス入りだった。つまり指名打者。それが右投手のときにしか使われなくなっている。

「なんとかして左投手を克服してほしい」

   球団では松井のためもあって左投げの打撃専用投手を雇った。なんと50歳。大学時代に全米優勝の経験があり、プロでは3Aで投げたことがある。ほかに女性のバッティング投手もいる。

   アスレチックスも日本と同じく、「早出特訓」がある。調子の出ない打者が早く球場入りして打ちこむ。松井はよほどのことがない限りそれをしないという。

「必要があれば打ち込む。たとえ(特訓の)連絡があっても自分の考えでやる」

   巨人時代にはない自己主張である。このあたりは実力大リーガーらしい意志の強さがうかがえる。

このままだとファーム落ち、トレード、途中解雇?

   松井は6月12日で37歳になる。大ベテランの年齢だ。残念ながら衰えを感じ、考える日々だろう。

「ゴジはね、二線級のピッチャーはしっかりと打つバッターなんだよ。だから打率も安定していた。成績が振るわないのは、そのお得意さんを打てないからで、やっぱり年齢かな、と思うね」

   巨人時代の同僚はそう見ている。反射神経が鈍くなるのは仕方ないが、松井のバッティングはイチローのように融通の利く打ち方ではないから、振りが鈍くなったらかなり苦しむ。

   打率が上がらず、ホームランも不発が続くようだと、厳しい措置が待っている。ファーム落ち、あるいはトレード、さらに途中解雇…など。大リーグは日本のように過去の成績にこだわらない。そのときの状態で判断される。

   松井はワールドシリーズでMVPになりながら、ヤンキースから契約の話はなかった。どんなスター選手でも売られていく例は数多くある。野茂英雄もそうだった。

「アスレチックスは厳しい経営をすることで有名。スパッとやることはなんとも思っていない」

   大リーグ記者からそういう話をよく聞く。安い契約金で選手を取り、育てて高く売る商法を得意とする球団だ。年俸に見合わなければ非常手段に出てくる。松井は気温の上昇とともに調子が上がるタイプなのでこれからに期待できる。持ち前の勝負強さを早く発揮しないと…。(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊 敬称略)

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