年金削減へ政府からも「圧力」 東電「考えていない」でいいのか

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   福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償の補償金を確保するために企業年金の削減を求める声があることに対して、東京電力の清水正孝社長は「(社員の)老後の生活に直結する問題で、現時点では考えていない」と明らかにした。

   この発言は反発を呼び、政府からも事実上削減を迫られている。

日本航空は現役5割、退職者3割を削減

政府の「圧力」に、東電はどう動く?
政府の「圧力」に、東電はどう動く?

   東電は、数兆円ともいわれる賠償金の支払いで国からの公的資金による支援を受けるが、そのスキームづくりに伴い大規模なリストラを政府から迫られていた。

   公的資金ももとは国民の税金。リストラなくして国民の理解は得られないのだから、当然だ。

   ところが、政府がスキームを発表した当日でもある2011年5月13日の衆院予算委員会で、リストラ策として企業年金の削減について、みんなの党の中西健治議員に聞かれ、清水社長は「考えていない」と明言したのだ。

   東電のリストラ策の「甘さ」は、政府から再三指摘されていた。当初は最大50%の役員報酬のカットや保有する不動産の売却などの合理化方針を発表。政府から「国民の理解を得られない」とされ、5月分から役員報酬を返上。このほか、社員給与の20%カットや2012年の新卒採用の見送りを明らかにした。

   それでもなお「甘い」と、企業年金の削減措置の検討を求められていたにもかかわらず、である。

   企業年金の削減には、東電社員3万6000人と退職者1万人超、それぞれ3分の2の同意が必要なので、実現のためのハードルは低くない。それでも、経営破たんして公的資金を受け入れた日本航空も、現役5割、退職者3割の削減に応じている。

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