研修生は一度帰国したら再入国困難
中央大学には中国人留学生が約400人いる。その殆どが震災後に帰国したが、
「新学期始まりからゴールデンウィークにかけ大多数が大学に戻っている」
と同大学広報は話す。
もっとも、中国人が日本に戻ってきたのは、日本は安全だと確認できたから、というわけではないようだ。多くの人は日本に生活基盤があり、日本を離れて生活することが難しいからだ。仕事や勉強を中途半端に辞めることはできない、という人もいる。しかし、中国人労働力がすべて戻ってくるのかというと、
「絶対日本には戻らない、と言っている人や、絶対日本には出さないと言っている親が多いため、急には増えないだろう」
と先のマッサージ店オーナーは見ている。
ただ、工場労働者は事情が少し違うようだ。日本繊維産業連盟は、戻っている中国人はアルバイトや学生が主で、研修生は話が別、と打ち明ける。繊維業界では数万人規模の研修生を受け入れているが、3万人が帰ったままだ。
「研修生は日中両国で取り決めた制度によって成り立っているため、一度帰国したら再入国して仕事に就くことは困難。国内で従業員を募集しても来てもらえるかどうか。人手不足は当面続きそうだ」
と悩みを漏らす。